出雲モデル:薬剤師・鍼灸師の早期介入が医療を変える
11 月30日、出雲にて日本東洋医学会島根県部会を開催しました。
会長講演を務めるにあたり、腸内環境と漢方薬の反応性、そして治療を支える「人の縁」について改めて整理する機会となりました。
腸内環境が左右する漢方薬の効き方
近年、腸内細菌が漢方薬の効き具合に影響することが明らかになっています。
名古屋大学教授 横山先生の研究では、茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)がよく効く人は、「腸内細菌によるジェニポシド→ジェニピンへの変換(ジェニピン産生能)が高い」ことが示されました。
つまり、腸内環境そのものが「漢方の効き方」を左右する要因になっているわけです。
肥満、むくみ、慢性疲労、不眠や不安といった症状は、腸内環境を整えることで改善スピードが明らかに変わります。
腸活、食事指導、鍼灸、そして軽い筋トレなどの運動を組み合わせることで、漢方がより効いてくることを実感しています。
出雲モデル:薬剤師・鍼灸師の早期介入
そして、今回の講演で私が特に強調したのが、薬剤師・鍼灸師が初期症状の段階で関わる「出雲モデル」です。
患者さんが「なんとなく体調が悪い」「少し不安がある」という段階で、まず薬局や鍼灸院にアクセスできる体制は、医療の早期介入を可能にし、結果的に重症化予防にもつながります。必要に応じて医師がオンライン診療で関わることで、地域全体として無理のない医療連携が成立します。
これは、特別講演いただいたMLBタンパベイレイズの福田慎一郎先生がおっしゃる「医学的エビデンスをトップアスリートに落とし込むのはコミュニケーションと信頼関係」という言葉とも一致します。
専門分野が違っても、患者さんが安心して相談できる「最初の窓口」があるかどうか——ここが治療において非常に大きな意味を持ちます。
終わりに
結局のところ、腸内環境のパターン(証)と、医療者との信頼関係が整ってこそ、治療は力を発揮します。
そして、それを可能にするのが、薬剤師・鍼灸師・医師が相補的に関わることだと感じています。
これからも縁結びの地・出雲から、患者さんにとって最適な医療の形「出雲モデル」を提案していきたいと思います。
