【学会報告】「舌」を見て“水の異常”をとらえる漢方治療
先日、広島で開催された「第42回 和漢医薬学会」にて、「舌から読み解く水毒の漢方治療」というテーマで発表してまいりました。
私は元々、呼吸器外科医として手術や画像診断を専門にしてきましたが、患者さんの中には、検査では異常が見えない不調を訴える方がたくさんいます。
水が偏ると、からだは不調になる
漢方では、体内にある「水」の巡りが悪くなった状態を「水毒」と呼びます。
これは「水が多すぎる」こともあれば、「水が足りない」こともあります。
たとえば…
- むくみ、痰、頭が重い → 水が停滞しているタイプ
- 舌が乾き、ヒビが入っている → 水が不足しているタイプ
どちらも“水の偏り”による不調です。
舌を診ることで、処方が決まる
注目すべきは「舌診(ぜっしん)」です。舌を見れば、水の状態をある程度、見極めることができます。
- 舌が腫れて歯形がついていれば、水が余っているサイン → 五苓散など
- 舌が乾いてヒビがあれば、水が足りないサイン → 四物湯や麦門冬湯など
症状が同じように見えても、使う漢方薬はまったく違います。
若い人と高齢者で傾向が違う
若い人は水が多く停滞しやすい一方で、高齢になると体が乾きやすく、水分が足りなくなってきます。
つまり、年齢や体質を見極めたうえで舌を見ることで、その人に合った漢方治療が可能になります。
外科医は、視診・触診を重視します。舌を見ることも、視診の一つです。
検査で異常が出なくても、舌に現れるサインを見逃さなければ、その不調を改善に導ける可能性があるのです。
出雲漢方クリニックは、オンライン診療に対応しています
出雲漢方クリニックでは、こうした“検査でわからない不調”に対して、舌を診て、水のバランスを整える治療を行っています。
初診から保険診療対応でオンライン診療が可能です。診察費用と600円の送料で全国どこにでも発送しています。
病院に寄っても良くならない症状でお困りの方は、ぜひご相談ください。