腰痛と鍼灸と漢方薬
慣れない机と椅子で作業したら腰が痛くなった。駆お血剤を飲んで右大腿に置鍼(おきばり)をした。
体の痛みには漢方より鍼灸(しんきゅう)
痛みには漢方の効果がイマイチ
島根大学の漢方外来を始めた当初、痛みの患者さんには痛みの漢方薬を処方した。腕が悪いのかぜんぜん効かない。
漢方の本を読みあさって処方、増量してもやっぱり効かない。
効いた感がない。患者さんは来なくなる。こんな繰り返しでうまくいかない。
鍼(ハリ)治療の良さを知って、指圧を始める
色々な外来、流派を見学させていただき、痛みには鍼(ハリ)を使う先生が多いと感じ、指圧や注射を試してみた。
意外といける。漢方薬の学び始めと同様、面白いように効果を示し、患者さんに喜んでもらえた。
そうしているうちに、病棟、外来で指圧をするようになる。
「お医者さんに肩揉んでもらえて」などとおおむね好評。
けれど、時々指では響かない患者さんがいる。
「鍼(ハリ)ができたらなあ、ブラックジャック世代やし・・・」と思ってた。。
患者さんには鍼治療を薦めるものの、どこに紹介していいかも分からなかった。
外科医が鍼灸(しんきゅう)にハマるまで
私と痛みの歴史
私の腰痛は14歳から。野球で痛めて座位がとれなくなった。病院に行っても湿布薬だけ。
近所の鍼灸院に行くと2回の施術で動けるようになった。病院はなんだったのか?
24歳で京都の研修医になった。奈良にバイトに行って、蕁麻疹(じんましん)の患者がきた。
ステロイドでも出そうか悩んでたら、リハビリの鍼灸師さんが腕に一撃。
蕁麻疹がすぐに消えた。なかなかの衝撃だった。
34歳でミネソタに留学して痛みの話をしていた。
「Mayoでは鍼は結構やる人いるよ」
「東洋の文化なのに・・・」と思いながら、学ぶことはなかった。
40歳で漢方を始め、48歳で50肩になった。痛くてジャケットが着られない。漢方薬で少しはマシになるが、やはり痛い。
鍼灸と出会い直し、そして学ぶ
そこで思い出したのが出雲市の岡鍼灸院。留学前に手術中に腰を痛めた時に救ってくれた、出雲のレジェンド鍼灸師だ。
年に一回の中医学会でご挨拶していた。お弟子さんの連絡先を聞いていたので久しぶりに岡鍼灸院に行った。
時間が合わなくて弟子の女性鍼灸師、坂本さんに施術してもらった。1か月で肩は上がるようになった。
漢方薬と鍼灸それぞれ得意分野がある。一緒にできたらと鍼灸師との交流が増えた。
「漢方医は全部を漢方薬でなんとかしようとするね。鍼(ハリ)でいいところもあるのに」
次の中医学会で岡先生に言われた。
同じ日に、島根大学大学院生の鍼灸師、吉田くんと知り合いになった。
出雲漢方クリニックで、鍼灸治療を提供しているワケ
理想を追い求めていったら、開業することに
漢方薬と鍼灸、西洋医学と東洋医学、それぞれに得意分野がある。
未病の治療をすると言うので大学を辞めて転勤したら、未病の治療はできなくなり、島根でも働けなくなった。
高知で鍼灸師と未病の治療をしてもいいと言うので引っ越したが、そういう話ではなくなった。
鍼灸師の吉田くんが高知で弟子になる、と言うのでそういうことになった。
医者が漢方薬を使うこと、医者と鍼灸師が一緒に働くことにはさまざまなハードルがある。
そういうわけで、出雲漢方クリニックを開業することにした。
何より自分がいいと思える治療を提供したい
自分や患者さんに一番良いと思える治療を提供したい。標準治療の偉い先生方は日本中にたくさんいる。
偉くはないが、西洋医学と漢方医学、胸部外科と漢方薬とはりきゅうを学んだ。それぞれにとても相性がいい。
オンラインで漢方や健康の相談に乗って、出雲と高知では鍼灸師が施術してくれる。そんな出雲漢方クリニックができた。
出雲漢方クリニックでは、曽田さんに改名した坂本さんが事務をサポートしてくれている。癒し系女鍼灸師として人気が出るかも。
先週ミネソタツインズのスーパースター、バイロンバクストンが脚を痛めた。
しばらく休養では、と噂されたが、鍼治療をしたらしい。
で、今朝ホームランを打った。ツインズも出雲漢方も楽しみだ。
鍼灸院を開業しました
今まで出雲漢方クリニックではサービスで鍼灸治療を提供してきましたが、「もっとゆっくり鍼灸治療を受けたい」という患者さんの要望を満たせていませんでした。
そこで今回、完全予約制でゆっくりと施術を受けられる鍼灸治療院、「出雲あんず鍼灸院」を開業いたしました。
女性鍼灸師が施術を提供する女性専用の治療院となっています。
岡鍼灸院でお世話になった女性鍼灸師、曽田さんに鍼灸治療を提供してもらっています。
詳しく知りたい方は以下のボタンからどうぞ。