雨の日は五苓散で鎮痛薬の減量を。コロナの倦怠感にも効果的
[2022.04.29]出雲は雨ですね。
雨の日の頭痛や倦怠感は気候病と呼ばれており、医学部ではあまり勉強しない分野です。
気候病は痛みに鎮痛薬を飲むだけで倦怠感にはこれといった対処法がありません。西洋医学の苦手分野とも言えます。
私が漢方薬にハマったのもこの気象病に効く「五苓散」を知ってから。 市販薬では「アルピタン」として二日酔いの薬として売られており、むくみをとって頭痛を軽減してくれます。
西洋医学でも使われる五苓散
この五苓散は最近になって、西洋医学での標準治療においても脳や心臓領域において、脳や心臓のむくみ予防に有効なことがわかってきました。
五苓散は臓器のむくみもとる
臓器はむくみがあると血流が悪くなり、十分に機能しなくなります。天気が悪い時に調子が悪くなるのはこの「むくみ」のせいです。
むくみをとるのがこの五苓散の作用であり、漢方医学では「利水作用」と呼ばれています。
むくみをとることで、痛みだけでなく倦怠感が軽減されます。漢方医学では舌を見てむくみを診断し、五苓散を処方します。
五苓散は便利な薬
二日酔いの薬として使用されることからもわかるように、五苓散は飲んですぐに効果を発揮します。
また、五苓散は肝臓にも優しく(頭痛薬のアセトアミノフェンの副作用は肝障害が有名です)、これといって目立った副作用はありません。
10年前に自分で五苓散の効果を実感してから、診療で数千回の処方を繰り返しています。
その経験から、「五苓散に出会うだけでも、世界の片頭痛の方の70%は痛みから解放されるのではないか?」と考えています。
五苓散による体質改善効果
五苓散を飲むと、頭痛が治ると同時に顔や足のむくみがなくなることもしばしばです。
頭だけでなく全身の血流に影響を与えて、さまざまな症状が緩和されます。このような現象を漢方医学では「異病同治」と呼んでいます。
漢方治療には少なからずこのような作用があり、「漢方は体質改善」と言われるのはこのためです。
コロナには葛根湯など、他の漢方薬との併用を
コロナ感染症で鎮痛薬が効かない頭痛や倦怠感に悩まされた患者さんも多いかと思います。
コロナ禍の発熱外来では頭痛や倦怠感の患者さんが多いですが、このような症状はワクチンの副反応でも見られます。
コロナ、風邪による頭痛の治療
風邪の頭痛には葛根湯が有名ですが、五苓散と併用するとさらに効果的です。
頭痛と倦怠感を訴える患者さんには、葛根湯などの漢方の風邪薬を患者さんの体質に合わせて処方し、一緒に五苓散を飲んでもらいます。
痛みが強ければ「風池」と呼ばれるツボ押しの指導もします。
これに西洋薬の鎮痛薬を痛みがおさまらない時だけ頓用してもらえば、大体の頭痛は楽になります。
出雲漢方クリニックはオンライン診療に対応しています
出雲漢方クリニックでは、初診から保険診療でのオンライン診療が可能です。500円の送料で全国どこにでも発送しています。
早ければ翌日、遅くて翌々日に到着しますので大変便利になっています。
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