メニュー

セルフマッサージ(指圧)で痛みをラクにする方法

[2023.06.13]

2019年の日本東洋医学会総会において、経穴セルフマッサージを用いた疼痛管理について報告した。

鍼灸(しんきゅう)については漢方薬よりずっと早く欧米と中国から多くの論文が発表され、エビデンスの蓄積が進んでいる。

日本漢方で鍼灸を併用する医師は多くないが、ブラックジャック世代の私は幼少期から興味のある分野であった。

漢方と鍼灸の併用を考える

10年前から漢方薬を飲み始め、咳、下痢、倦怠感、肥満は良くなったものの、頭痛と腰痛は少し残っていた。

さらに四十肩で右肩が上がらなくなり、様々な漢方薬を試しても治ることはなく、月に一回程度、NSAIDsを飲んで様子をみるような状態だった。

これを鍼灸を学ぶ良い機会だと考え、各地の鍼灸院を訪ね歩き、自分でも注射針で刺激を与え始めた。

内臓の不調は漢方薬、四肢の痛みは鍼灸

まずまずの手応えを感じた中で、出雲の鍼灸院で教わったのは「漢方薬の先生は手で触れる四肢の末端まで漢方薬で治そうとする。内臓は漢方薬、四肢の痛みは鍼灸でいいんじゃないか」という言葉だった。

全身に漢方薬を行き渡らせて、詰まりを鍼灸で取り除く。

こんな感じが良いのではないかと考え、エキス剤での漢方薬処方と、注射針でのトリガーポイント経穴刺激の併用を始めてみた。

鍼(ハリ)の代わりに指圧マッサージ

ところが患者さんは針を嫌う。漢方外来で鍼(ハリ)治療を希望することはないのである。

「漢方外来で迷走神経反射を起こしてもなぁ。外来でマネごとの鍼治療をして、ショックになったりしたらシャレにならん」と悩むようになった。

また大学病院に通う高齢の患者は抗凝固、抗血小板薬を飲んでいることが多く、鍼治療には一定の出血リスクがあることも問題だった。

そこで思いついたのが指圧マッサージである。寺澤先生が指圧の本を出していることを知り、色々と試してみた。

残念ながらあまり響かず、効いてこない。

より響きやすい運動鍼(うんどうしん)をマネてみた

そんな中で偶然うまくいったのが、自分が出雲の鍼灸院で受けていた「運動鍼」をまねて、指圧しながら関節を動かしてもらう、というやり方である。

アスリートは良さそうなものはなんでも取り入れる

私が考える漢方と先端技術が最も融合している分野は、アスリートの領域である。

サンディエゴのダルビッシュ有が登板前にせんねん灸を使用していることが話題になったが、オリンピック選手やプロスポーツ選手はエビデンスのない世界で新たな知見を模索し、良さそうなものはなんでも取り入れる。

アスリートが実践している運動鍼

ドーピングのできないプロスポーツでは鍼治療を行う選手が多く、刺したまま関節を動かす運動鍼を取り入れることがある。

このやり方は比較的、経穴に当たりやすく響かせやすい。

外来で関節を動かしながらの経穴指圧を指導し、毎日3〜5回患者自身に指圧マッサージをやってもらうのである。

鍼灸の弱点は漢方で補う

鍼灸マッサージは鎮痛に一定の効果があるが、問題は施術と施術の間の疼痛である。

漢方薬は毎日薬を飲むことで時々巡りを取り戻せるが、鍼灸ではそうもいかない。

自分でマッサージして響かせ、巡らせる方法を覚えれば、毎日の痛みは随分と楽になるはずだ。

鍼灸院を開業しました

今まで出雲漢方クリニックではサービスで鍼灸治療を提供してきましたが、「もっとゆっくり鍼灸治療を受けたい」という患者さんの要望を満たせていませんでした。

そこで今回、完全予約制でゆっくりと施術を受けられる鍼灸治療院、「出雲あんず鍼灸院」を開業いたしました。

女性鍼灸師が女性向けに治療を提供する、女性専用の治療院となっています。

詳しく知りたい方は以下のボタンからどうぞ。

出雲あんず鍼灸院を詳しく知る

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME