雨の日は五苓散で鎮痛薬の減量を。コロナの倦怠感にも効果的
雨の日の頭痛や倦怠感は気象病と呼ばれていますが、医学部ではあまり勉強しない分野になっています。
気象病は痛みに対して西洋医学では鎮痛薬を飲むだけで、倦怠感にはこれといった対処法がありません。西洋医学の苦手分野とも言えます。
そこで活躍するのが漢方薬の「五苓散」です。
西洋医学でも使われる五苓散
私が漢方薬にハマったのも、この気象病に効く「五苓散」を知ってからです。市販薬では「アルピタン」として二日酔いの薬として売られています。これがむくみをとって頭痛を軽減してくれます。
この五苓散は最近になって、西洋医学での標準治療においても脳や心臓領域において、脳や心臓のむくみ予防に有効なことがわかってきました。
五苓散は臓器のむくみもとる
臓器はむくみがあると血流が悪くなり、十分に機能しなくなります。天気が悪い時に調子が悪くなるのはこの「むくみ」のせいです。
むくみをとるのがこの五苓散の作用であり、漢方医学では「利水作用」と呼ばれています。
むくみをとることで、痛みだけでなく倦怠感が軽減されます。漢方医学では舌を見てむくみを診断し、五苓散を処方します。
五苓散は即効性があって、副作用も少ない
二日酔いの薬として使用されることからもわかるように、五苓散は飲んですぐに効果を発揮します。
また、五苓散は肝臓にも優しく(頭痛薬のアセトアミノフェンの副作用は肝障害が有名です)、これといって目立った副作用はありません。
10年前に自分で五苓散の効果を実感してから、診療で数千回の処方を繰り返しています。
その経験から、「五苓散に出会うだけでも、世界の片頭痛の方の70%は痛みから解放されるのではないか?」と考えています。
五苓散による体質改善効果
五苓散を飲むと、頭痛が治ると同時に顔や足のむくみがなくなることもしばしばです。
頭だけでなく全身の血流に影響を与えて、さまざまな症状が緩和されます。このような現象を漢方医学では「異病同治」と呼んでいます。
漢方治療には少なからずこのような作用があり、「漢方は体質改善」と言われるのはこのためです。
コロナには葛根湯などの他の漢方薬との併用を
コロナ感染症で、鎮痛薬が効かない頭痛や倦怠感に悩まされた患者さんも多いかと思います。
コロナ禍の発熱外来では頭痛や倦怠感の患者さんが多いですが、このような症状はワクチンの副反応でも見られます。
コロナ、風邪による頭痛の治療
風邪の頭痛には葛根湯が有名ですが、五苓散と併用するとさらに効果的です。
頭痛と倦怠感を訴える患者さんには、葛根湯などの漢方の風邪薬を患者さんの体質に合わせて処方し、一緒に五苓散を飲んでもらいます。
痛みが強ければ「風池」と呼ばれるツボ押しの指導もします。
これに西洋薬の鎮痛薬を痛みがおさまらない時だけ頓用してもらえば、大体の頭痛は楽になります。
出雲漢方クリニックは、オンライン診療に対応しています
出雲漢方クリニックでは、初診から保険診療でオンライン診療が可能です。診察費用と600円の送料で全国どこにでも発送しています。
薬は早ければ翌日、遅くて翌々日に到着します。
頭痛や倦怠感でお悩みで五苓散が気になってる方、院長と五苓散の素晴らしさについてお話したい方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度当院までご相談ください。