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「漢方はすぐに効かない問題」にハイブリッド漢方で。

[2022.05.16]

「漢方薬じゃなくて、すぐに効く薬を出してもらわないと」

漢方薬にハマった外科医として10年ほど過ごしたが、その間の批判はひどいものだった。

残念ながら「風邪の初期には葛根湯」と言われるように漢方がすぐに効かないというのは誤認である。医者の腕がなくうまく効かせられないことがあっても、漢方がすぐに効かないことはない。葛根湯は非常に守備範囲が広く「効かせやすい」。

風邪の症状をすぐに緩和できない薬が2000年も残っているのは不自然であろう。すぐに効く方剤があれば、そうでないのもある。その反応には個人差があり、医者の技量にも大きな差がある。だから漢方医学は奥深く、一部の医師から愛され、嫌われる。

小青竜湯で漢方の即効性を体感

「すぐに効かない問題」には自分で飲んで体感してもらうのが手っ取り早い。最も即効性を感じるのは鼻閉時の「小青竜湯」。アレルギー性鼻炎に使われるようになった方剤だが、普通の大人にはすぐに効く。呼吸器学会の咳嗽ガイドラインでも推奨されており、鼻から気管支の炎症には即効性があり、飲んで数分で鼻がスーと通るのを実感するはず。

注意点としては、麻黄(エフェドリン)を含んでいるので心臓がバクバクする。そういう場合には「麻黄附子細辛湯」。心臓に負担をかけたくない患者さんでも飲めることが多く、最近愛用している。

頭痛には葛根湯と五苓散

それでは痛みにはどうか?

風邪で頭痛を訴える患者さんがいる。このような患者さんのために葛根湯がある。葛根湯は頭痛、肩こりに適応があるが、小青竜湯ほどはすぐに効かず、効いた感が弱い。そんな時、私は風池を指圧する。風邪の頭痛に首の圧痛点を刺激。痛みは軽減し、喜んでもらえる。

風邪の診察をすると、頭痛の患者は舌が腫れ、顔や手足が浮腫んでいることが多い。そこでいつもの五苓散。指圧で頭痛を緩和した後、葛根湯と五苓散を処方し、お守りでアセトアミノフェンを処方する。

そうすると五苓散がなくなった1ヶ月後には五苓散をもらいに来院する患者さんが現れる。

漢方薬と鍼灸と西洋薬、それぞれが普通の治療でも、一緒だとなかなか効いてくれる。「ハイブリッド漢方」と言うと患者さんも納得。

全てに完璧な治療家、専門家など存在しない。胸部外科医の視点から見ると、漢方はなかなか面白い。

出雲漢方クリニックは、オンライン診療に対応しています

出雲漢方クリニックでは、初診から保険診療でオンライン診療が可能です。診察費用と600円の送料で全国どこにでも発送しています。

薬は早ければ翌日、遅くて翌々日に到着します。

葛根湯を使ったが効果がないと感じている方、小青竜湯を愛用されている方、また院長と漢方の素晴らしさについてお話したい方がいらっしゃいましたら、一度当院までご相談ください。

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