開院4周年、そして地域への新たな一歩
おかげさまで出雲漢方クリニックは開院4周年を迎えることができました。この4年間、多くの患者様、ご家族、関係者の皆様に支えていただき、心より感謝申し上げます。
当院は開院当初からオンライン診療に力を入れてきました。特にコロナ禍以降は、コロナ後遺症や気象病、自律神経の乱れなどでお困りの患者様から多くのご相談をいただきました。全国どこに住んでいても医療につながることができるオンライン診療の意義を強く感じる日々でした。
その後、診療内容も少しずつ広がり、現在では肥満治療や更年期症状、慢性疲労、不眠などのご相談も増えています。これらの症状は検査だけでは異常が見つからないことも多く、患者様ご自身も周囲から理解されにくいことがあります。しかし実際には生活の質を大きく低下させており、日常生活や仕事に影響を及ぼしています。
漢方診療を通じて感じた鍼灸の価値
私はこれまで漢方診療を通じて、多くの患者様の体調改善に関わらせていただきました。漢方薬は体質改善や慢性的な不調の改善に大きな力を発揮します。しかし診療を続ける中で改めて感じることがあります。
それは、肩こりや肩の痛み、腰痛、膝痛、首の痛み、筋肉の緊張など、身体の構造や動きに関連する症状については、漢方薬だけではなく鍼灸治療の方が適している場合が少なくないということです。
もちろん漢方薬で改善することもあります。しかし実際には、筋肉の緊張をほぐし、血流を改善し、身体を温め、局所へ直接アプローチできる鍼灸の方が早く効果を実感される患者様も多くおられます。
また、鍼灸の価値は痛みの治療だけではありません。
施術を受けることで身体が温まり、呼吸が深くなり、リラックスし、睡眠が改善する。痛みが軽くなることで外出する意欲が生まれ、人と会う機会が増える。結果として活動量が増え、筋力低下やフレイルの予防にもつながります。
私はこれこそが鍼灸の本質的な価値の一つだと考えています。
病気だけを診るのではなく、人の生活全体を支えること。
多職種で支える「出雲モデル」と地域への想い
そのためには医師だけでは不十分です。薬剤師、鍼灸師、管理栄養士、運動指導者、介護職など、多くの職種が連携する必要があります。
私が以前から構想している「出雲モデル」もまさにその考え方です。
医師が診断し、薬剤師が服薬を支え、鍼灸師が身体を整える。さらに運動、食事、睡眠、温泉など地域の資源も活用しながら健康づくりを支援する。病気になった人を治療するだけではなく、病気になりにくい身体づくりや健康寿命の延伸を目指す取り組みです。
一方で、私は常々考えていました。
「全国の患者様を診ることができるようになった今だからこそ、もっと地域に貢献できることがあるのではないか。」
高齢化が進む中、腰痛や膝痛、肩の痛み、手術後の筋力低下などにより、通院そのものが難しくなっている方がたくさんおられます。医療機関へ行きたくても行けない。身体の不調を抱えながら、自宅で不安な毎日を過ごしている方も少なくありません。
訪問鍼灸の開始と、これからの地域医療へ
そこでこのたび、出雲あんず鍼灸院では鍼灸師3名体制となり、保険診療による訪問鍼灸を開始しました。
神経痛、リウマチ、五十肩、腰痛症、頸腕症候群などの慢性的な痛みを抱え、歩行困難や通院困難となった方々に対し、医師と鍼灸師が連携しながらご自宅で施術を行います。
また自由診療では、慢性疲労、不眠、自律神経の乱れ、更年期症状、美容鍼、スポーツコンディショニングなど幅広いお悩みに対応しています。
全国へ広がるオンライン診療。そして地域に根差した訪問鍼灸。
この二つは一見異なる取り組みに見えるかもしれません。しかし私の中ではどちらも同じです。
「困っている人のもとへ医療を届ける」
という考え方です。
これからも医師、薬剤師、鍼灸師が力を合わせ、出雲から新しい地域医療の形を発信していきたいと思います。
病気を診るだけでなく、人を支える医療へ。
開院5年目も、その初心を忘れず歩んでまいります。
