冬の冷え・むくみへの漢方的アプローチについて
先日の地震と今週の大雪に際し、多くの方からご心配のメッセージをいただき、ありがとうございました。
当院は大きな被害もなく、通常どおり診療を行っております。皆さまのご心配に深く感謝申し上げます。
寒さや気象変化による体調不良について
ここ最近の外来では、寒さや気象の変化の影響で体調を崩している方が多く見られます。
特に、手足の冷え、むくみ、慢性的なだるさ、頭痛、めまい、関節周囲の痛みなどを主訴に受診される方が増えています。また、風邪症状として、咳が長引く、のどの違和感が続くといった声も多く聞かれます。
気温・気圧の変化が大きいこの季節は、自律神経のバランスが乱れやすく、体の恒常性を維持する力が低下しやすい時期です。外的ストレスとしては寒さだけでなく、先日の地震による心理的な緊張も重なっています。
このような状態では、単に症状を抑えるだけでなく、体全体のバランスを整えることが必要になります。
検査で大きな異常が見られない場合でも、症状が続くケースは少なくありません。これは血液検査や画像検査では捉えにくい、「体の微細なバランスの乱れ」によるものです。具体的には、血流の滞り、内臓の働きの低下、自律神経の緊張感の持続などが考えられます。
冷えと睡眠を中心とした体調回復の考え方
こうした状態を改善する上で重要なのが、十分な睡眠です。睡眠は体の回復にとって不可欠であり、しっかり眠れる環境を整えることがまず第一です。人は、日中に体温が一度しっかり上がり、そこから下がってくる過程で眠気が生じます。
そのため、日中の適度な運動、入浴による体温の上昇、規則正しい食事が睡眠の質を高める助けになります。また、必要に応じて、体を温めたり自律神経の調整を促す漢方薬を使用することも有効です。
体が冷えていると、血流が低下し、筋肉や関節のこわばりが強くなり、むくみも出やすくなります。また、胃腸の働きが落ちると、消化・吸収機能が低下し、全身のエネルギー供給が滞ることになります。こうした一連の変化が、だるさや睡眠の浅さ、慢性疲労感につながります。
当院では、西洋医学的な検査と評価を行ったうえで、患者さん一人ひとりの症状と体質に応じた治療方針を立てています。
必要に応じて漢方薬を併用し、体全体のバランスを整える治療を進めています。特に、冷えやむくみ、長引く風邪症状の方には、「水滞(体液の巡りの悪さ)」や「気血の不足」などの漢方的な視点からも評価し、処方を検討しています。
終わりに
昨年10月からは、煎じ漢方薬(漢方茶)も選択肢としてご利用いただけるようになりました。煎じ漢方は、エキス剤に比べて体に馴染みやすく、効果の出方が穏やかであることが多いため、体質改善を目的とする場合に適した選択となることがあります。ご希望の際は診察時にお申し出ください。
3月19日(木)19時より、「最前線・冷えとむくみの漢方治療」をテーマにWeb講演を行います。小太郎漢方製薬のホームページから申し込みが可能です。
また、当院主催の「舌診ラボ」は毎週月曜日夜8時30分よりオンラインで開催しています。
体調のご相談、勉強会へのお問い合わせは、公式LINEからお願いいたします。
寒さや気象の変化による体調不良は、放っておくと慢性化しやすく、日常生活の質を低下させることがあります。症状が気になる場合は、早めに相談されることをおすすめします。無理をせず、体全体のバランスを整えていくことが結果的に早い改善につながります。
これから気候はさらに変わりやすくなりますが、気になる症状がある方は、どうぞ遠慮なくご相談ください。
